2018.11.08建築知識
住宅の性能を表す指標の一つとして、気密性能値(または、C値)があります。
C値とは、家の延床面積に対する「隙間面積」の割合を示す数値で、床面積1m2当たりどれ位(何cm2)の隙間が有るかを表現した数値です。
この値がゼロに近いほど隙間が少なく、気密性が高いことを意味します。
例えば、床面積100m2の家で、C値が1.0の場合、建物全体の隙間を集めると100cm2(正方形10×10cm相当)あるという意味です。
では、そもそも何故この気密性が必要とされているのか。
それは、『住宅の改正省エネルギー基準の解説』という書籍に記されています。(財団法人 建築環境・省エネルギー機構 出版)
※ちなみにこの本は、建築意匠設計者や建築審査を担当している方が教科書的に読んでいます。
①漏気負荷を減らし省エネルギー化と室内温度環境の快適性向上を図る
②壁体通気を抑制し、断熱性能の低下を防止する
③壁体内結露を防止する
④計画換気の性能保持
つまり、『建物から漏れる空気をなくせば、断熱材性能も空気環境もよくなります』よ。ってことです。
私の生家なんて、壁とサッシの隙間から外が見えていました。もちろん、冬場は極寒・夏場は灼熱でしたからある意味ストイックな建物でした。都心屈指の交通量の環七に面していたので、騒音もそりゃひどかったものです。
私も大人になり、子供にはそんな生活させたくないなーと思います。
閑話休題
ちなみに、次の写真は最近の弊社施工物件です。
隙間相当面積:C=0.6 となっています。最近ではC=1.0以下で高気密住宅と呼ばれていますから、十分な値でした。
それに加え、私は個人的に【隙間特性値】という値も非常に重要だと思っています。
この値でどのくらい施工が丁寧なのかが分かります。
隙間特性値(n)が 1.0 に近ければ近いほど細かい小さな隙間が散在した状態になっていることを表し、丁寧に施工されている事になります。
逆に、2.0に近ければ近いほど、大きくまとまった隙間が存在していることを表します。(n値は1〜2の値で表示されます)
永く住まうことになる建物も住まい手も、健康に快適に暮らすために、上記のような予備知識を持って施工会社を探すといいかもしれません。